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萩森建設の家づくり
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社長 萩森

地元に根付いて40年。 皆さんは家を「買って」いませんか? 家は「創る」ものだと考えています。 木の事はどうぞおまかせ下さい。

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寒い日に考える3

シリーズ3回目(^^)
やっぱり今日も寒いですね。
家づくりに携わる身としては、こんな日にいろいろ考えることは、体感と連動するだけに大切なことだと思っています。

<暖かさを感じたい>

室内で暖かさを感じる要素は、3つあります。
1.室温が高い
2.輻射熱がある
3.湿度が高い
※ややこしいので、風や着衣の要素は今回は外します。
の3種類です。

1については、誰にもわかりやすいですが、実は、2と3の要素がとても大きな影響を与えます。

1は、室内の空気の温度
2は、室内にあるあらゆる物質の温度
3は、室内の湿度

と言い換えることもできます。

これらの数字を上げると、室内で暖かさを感じることができます。

<断熱性能が低いということ>
既存の建物のほとんどと、今どきでも一部の建物は、余り断熱性能が高くありません。
断熱性能が低いと、熱の移動がたくさん起こります。外が暑ければ室内にその熱が入ってきますし、外が寒ければ室内の熱が外にどんどん逃げていきます。
換気を除けば、室内の熱が逃げるのは、壁(サッシ)や床、天井(屋根)からです。熱の逃げた壁や床、天井は冷たくなります。冷たい物質から輻射熱は飛んできません。
また、冷たくなると、結露を起こし室内の湿気を奪い乾燥します。

つまり、断熱性能が低いことによって、暖かさを感じる3要素のうち、2と3について、不利になります。

<既存家屋の断熱性能>
既存の住宅の大部分は、現在の水準に照らしてみると、断熱性能が著しく低いです。
愛知県を含めた温暖な地域で断熱性能についてちらほら気になりだし始めたというのは、ここ20年くらいのことです。その頃でも、断熱に一生懸命考慮する建物も建て始められたというだけで、ほとんどの建物の断熱性能は十分ではありませんでした。

もっとも、当時からいろいろ試された高気密高断熱工法の中には、あとになってみれば施工方法などに問題を抱え、ひどいカビの発生に悩まされることになる工法や、耐久性に難のある方法などもそこそこの割合で存在しますので、未熟な断熱施工の時代に大きなお金を掛けて時代を先取りするのが必ずしも良かったかは、ケースバイケースという感じではあります。

そのような経験を経て、(重箱の隅を突っつくような指摘を除いて)まずまずの断熱工法が世間に確立されてきたのは、ここ数年と思ってもいいでしょう。

実は、今でも断熱に関して皆が守るべきルールがあるわけではありません。基準はたくさんできて、意識も高まってはいますが、同じ「うちは断熱はしっかりしていますよ。」という「しっかりしている」というレベルは、かなりまちまちなのが現状です。

そんな状況ですので、築20年以上くらいの既存家屋の場合、多くの場合は、断熱性能が低いものとして、暖房計画を立てる必要があります。

<既存家屋で暖房が効かないのは>

断熱性能に難があっても、暖かさを十分感じることはできます。でも、実際には寒い思いで過ごしている場合が多いのではないでしょうか?
なぜ断熱性能が低いと寒いのでしょう?

1の室内気温を上げることは比較的容易です。にもかかわらず、寒さを感じるのには、温度分布の問題があります。暖かい空気は上がり、冷たい空気は下がりますが、断熱性能が低いと、この動きがより激しくなります。室内平気温が快適水準だとしても、身体の大半がある室内の下半分は寒いということになりがちです。特に床に近づくほど寒くなります。足元の空気まで暖かくするには、室内気温としては暑すぎるぐらいに温めてあげないといけないことになります。

2の室内にある物質の温度を上げるのは、少しむつかしいです。断熱性能が低いため、多くの熱量が壁や床、天井から逃げていきますので、それを上回る熱量を供給してやらないと、温度が上がっていきません。ところが、物質に熱を供給する暖房方法が割と難しいのです。
エアコンやファンヒーターなど、比較的効率よく熱を作れる暖房器具というのは、主として空気を温めます。暖かい空気として熱を供給します。しかし、空気は物質に熱を移すのがあまり得意ではありません。エアコンで温められた空気は、十分に室内の物質を温めることなく、暖かい空気のまま、換気や隙間風として逃げ出してしまいがちです。

3の湿度を上げることは、短時間的には容易です。加湿器でガンガン加湿してやればよいです。しかし、断熱性能の低い家では、加湿された水分はほどなく外気で冷たくなっている部分(ガラスやサッシだけでなく、壁や天井、床のあらゆるところ)で結露します。いわば、家中が除湿機能を持っているようなものですので、加湿をやめるとすぐに湿度は下がっていきます。また、結露による建物の悪影響も小さくありません。

既存家屋の場合、これらのことにより、十分に能力の高い暖房器具を用いても、暖房が効かないと感じることが多いのです。

次回は、既存家屋で暖かく暮らす工夫の続きとして、より具体的な方法を考えていきたいと思います。
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