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社長 萩森

地元に根付いて40年。 皆さんは家を「買って」いませんか? 家は「創る」ものだと考えています。 木の事はどうぞおまかせ下さい。

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寒い日に考える4

やっぱり今日も寒いですね。
家づくりに携わる身としては、こんな日にいろいろ考えることは、体感と連動するだけに大切なことだと思っています。
私どもは建築屋ですが、この連載では暖房器具による対策を中心に考えています。そうすることによって建物の断熱性能がどう役に立つのかをお伝えしたいという気持ちもあります。
今回は、既存建物を対象に、より具体的な対策について考えていきたいと思います。

<最小限の出費で寒いを解消:総コストの考え方>
既存建物の寒さ対策の場合(新築でも同じですが)、出費と効果のバランスも無視できません。現状の建物の状態も異なりますし、今までの暮らしの満足感も人それぞれでしょう。
それでも、基本的な前提条件を置いて検討しないと、最善の対策は見つかりません。

総コストを考える時に大切なのは、算出期間の設定です。
5年間、10年間、15年間、それ以上、という期間によって、費用対効果は変わってきます。
期間を長く設定すれば、初期コストが大きくてもランニングコストが低い方が得ということになります。

一方、可能な負担感という側面も見逃せません。
ランニングコストのアップは何とかなるけど、今すぐまとまった費用が掛かるのは困る、という場合です。絶対的な金額の大小と、その時々の負担感とは別ですので、総コストは少し増えても、負担感の少ない方が、結果的に楽という場合もあるでしょう。今まさに受験生を抱えている親御さんなど、そういうケースの典型となります。

また、そもそも費用面よりも快適性を重視したい、という考え方もあると思います。
費用対効果を一番に重視すれば、費用に対して効果が小さいことは切り捨てることになりがちですが、効果があることはできるだけ取り入れて、快適性を重視したいという要望も当然ながらあるでしょう。

・イニシャルコスト(今すぐ必要な初期コスト)
・総コスト(ランニングコストを含めた総コスト)
・求める快適性の水準(現状からの改善量)

という3点を考え、方針を決めていけば、散発的に思い付きで暖房器具を買い足していくよりも、効率的に寒さ対策をしていくことができます。

<1空気を温め 3湿度を上げること>
?までのお話で分かるように、既存家屋で快適な暖かさを感じるのに、1と3の項目は比較的容易にクリアできますが、2の項目については、なかなかむつかしいということがわかります。

おさらいとして、1と3をクリアする方法をまとめます。
1をクリアするには、十分な能力のあるエアコンやファンヒーターなどで、室内の空気を温める方法があります。
2は、加湿器(暖を取ることだけを目的とすれば、加熱式か超音波式が適しています。ただし、超音波式は水質の面で問題を抱え、細菌の拡散原因にもなるので要注意です。)を使用すればクリアできます。※問題点については、別途詳しく解説

これだけで十分暖かいと感じられる建物については、これ以降の話しは、より快適性を高める方法ということでご理解いただければと思います。

<2冷めた室内の物質(壁、床、天井と家具などそこにあるものすべて)をあたためること>
一番大きな障害は、2の室内にある物質の温度を上げることです。一度冷たくなった物質を温めることは、冷たい空気に暖かい空気を混ぜて、すぐに室温を上げられるというように簡単にはいきません。
その中でも、床は特に温めるのがむつかしい部位です。暖房をしていても最後まで冷たい床に冷やされ、足元の寒さをずっと感じている方は多いでしょう。
そんな場合の対策を、具体的に考えてみましょう。

<発熱するものを置く>

冷たい物質を温めるのではなく、発熱するものを置いてしまえば、すぐに暖かくなります。冷たい床にホットカーペットを敷く。冷たい壁に沿ってオイルヒーターを立てる。冷たい窓付近に電気ストーブを置く。冷たい天井にハロゲンヒーターをつるす。どれも、即効性のある対策です。
デメリットは、範囲が狭いことと、エネルギーを多く消費するです。範囲が狭いことは、場所によっては不快になります。

<発熱するもので温める>

薪ストーブや昔ながらの対流式のストーブは、直接的に輻射熱を多く出します。前項の「発熱するもの」も、輻射熱を出します。これらの輻射熱は、人に直接届いて暖かさを感じさせもしますが、効率的に室内の物質を温める効果も期待できます。

<暖かい空気をぶつけて温める>
暖かい空気があっても、その熱はなかなか物質に移ってくれません。効率よく移すには、空気をぶつけてやることが必要です。サーキュレータ―などで、室内の暖かい空気を壁や床にぶつけてやるわけです。最新のエアコンでは、真下に少し強めの気流で暖かい空気を出し、床にぶつかるようにしているものがありますが、そういう機能は空気の温度分布の改善以上に、床を温める効果が室内の暖かさの確保に大きく貢献しています。

<冷まさない>
冷めた物質を温めることは大変で熱量も時間もかかることから、そもそも物質が冷めないようにすることも、有効な手です。つまり、人が居る居ないにかかわらず、暖房し続けるという方法です。
断熱性能の低い家では、熱は逃げ続けますので、消費熱量の総量は多くなると思いますが、冷めた物質を温めるよりも小さな能力の暖房器具で対応することができます。
具体的には、エアコンをつけっぱなしにするということです。

<空気を温める暖房の場合>
ここまででわかるように、エアコンやファンヒーターのみで暖を取るという場合は、ある程度の気流でぶつけてやる、継続暖房で物質が冷めるのを防ぐ、ということを行うことが有効です。

次回は、建物側の断熱対策にも言及しながら、もう少し既存建物に対する暖房のお話を続けたいと思います。
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