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社長 萩森

地元に根付いて40年。 皆さんは家を「買って」いませんか? 家は「創る」ものだと考えています。 木の事はどうぞおまかせ下さい。

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寒い日に考える5

ついに、日中も全く気温の上がらない終日極寒常態は、わずかに緩和されました。
でも、まだまだ寒いので、今日も考えていきましょう。(^^)
既存建物の寒さ対策、完結編です。
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<床がポイント>
ここまでだらだらと書いてきてしまいましたが、室内の物質の中でも、床を冷まさないことが、快適な暖かさを得るうえで最も大きなポイントになってきます。
そして、熱を伝えるのが最も難しいところも床です。

室内に同じ熱量を投入した場合に、その熱の行き先ができるだけ床になるようにし、また、床から熱ができるだけ逃げていかないようにする工夫を考えていきます。
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<床を断熱する>
やっと、建築らしい話題が出てきました。
床から熱を逃がさないようにし、冷たくならないようにするには、床の断熱が欠かせません。
しかし、床下の断熱の重要性が認識され始めたのは、本当に近年になってからなので、それ以前の建物では壁や天井裏の断熱を頑張っているケースでも、床下の断熱性能は低いケースが多いのです。

床下の断熱性能が低くても、近年の建物であれば、基礎の高さが一定以上あるので床下から断熱材の施工をすることができます。これが可能な場合は、部屋の荷物を動かしたりなどの作業も発生せずに床断熱を強化でき、とても効果的です。

この作業空間が確保できない場合の床の断熱工事は、室内から行うことになるため一般的に大掛かりになりがちです。床が傷んでいて直したいなど、床のリフォームをする合理的な理由が他にある場合の「ついで」仕事になる場合以外は、断熱性能の向上だけが目的では、コストパフォーマンスに問題があります。この場合は、他の方法を検討したほうが現実的だと思います。
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<床を遮熱する>
遮熱材という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
保冷バックに使われているような、アルミシートでできた銀色のあれです。空気を介さない熱の移動である、輻射を遮断する効果を期待した材料です。
ホームセンターでも、遮熱材を利用したアイディア防寒防暑グッズが数多く売られるようになってきました。

床の断熱を諦めた場合、次に効果的なのは、遮熱シートを敷くことです。
冷たい床との熱のやり取りを遮断するイメージです。
この場合難しいのは、遮熱面が直接床に触れていると効果が小さいということです。
便利グッズとして耐久性を期待せずカーペットの下に敷くような場合はいいですが、建築工事として耐久性も効果も投資に見合うだけしっかり施工するとなると、現況の状態などによって、工夫が必要です。

とはいえ、薄い材料で効果を期待できる遮熱という方法は、断熱化がむつかしい場合の有力な対策の一つです。
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<床を温める>
床の断熱性能が確保出来たら、床の温度を保つ工夫です。
室内を暖房しても、なかなか床は温まりません。暖かい空気は上の方にあがるので、そのままでは、床には届きません。また、空気の熱は、そのままではものに伝わりにくいのです。
サーキュレーターなどを使って、暖かい空気をゆかに「ぶつけてやる」ことで、床を温めることができます。

そのほか、床を温める方法としては、ストーブなどの輻射熱暖房機を使う、床暖房の反対である天井暖房を設置し、輻射熱を利用するなどが考えられます。
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<床自体を発熱させる>
床の断熱性能を高める工事ができない場合は、思い切って床暖房にすることも効果的です。
実は、今どきの新築では、床暖房を採用しても実際には使わないという方も少なくありません。床暖房はそこそこランニングコストがかかりますので、室内がそれほど寒くならない断熱性能の高い建物では、あえて使う機会は少ないというのが実態です。

逆に、断熱性能を高めることが困難で、全体的に寒さの我慢を強いられている既存建物にとっては、床暖房のランニングコストは新築同様ですし(特に高くなるわけではない。)、床という温めるには厄介な室内の物質が自ら発熱してくれるのですから、床暖房のメリットは、新築とは計り知れないほど大きいかもしれません。

床暖房を行う際で、床下の断熱層の確保がむつかしい場合は、薄い遮熱層を設けることによって、床下に輻射熱が逃げていくことを防ぎます。
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<今ある暖房器具でやりくりする>
今ある暖房器具で、少しでも寒さの我慢を小さくする工夫も考えてみましょう。
もし、お日様からの天然の暖房光線を遮っているのを発見したら、カーテンを開け、日中の日差しで床を温めることに注意を払いましょう。そして、床が冷たくならないうちに暖房のスイッチを入れてしまいます。
新しく暖房器具を買わなくても、今ある暖房の稼働時間を長くすることで、実質的な暖房能力は上がります。
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<室温はだんだん上がりにくくなる>
断熱性能が低い場合、壁、床、天井面は冷やされます。
室内の気温が上がれば上がるほど、冷やされた面との温度差は大きくなります。
実は、温度差が大きくなればなるほど、それ以上に室温を上げることはむつかしくなります。
屋外が0度として、室内を5度から10度に上げるよりも、15度から20度に上げるほうが大変なのです。
エアコンやファンヒーターなど、室温を上げることを目的とした暖房機で、快適気温まで温度を上げていこうと思うと、だんだんと上がりにくくなっていきます。(外気温や断熱性能によります。)なかなか上がらないなぁ、と思ったら、そのくらいまでがエアコンやファンヒーターの役割だと割り切って、もう少しの暖かさは、別の暖房に頼るのがいいかもしれません。
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<湿度の影響>
湿度も、人体にとっては暖かさの一つだと考えることができます。潜熱とも呼びます。(正確にイコールではありませんが。)しかし、これは%で表される相対湿度ではなく、空気中の水蒸気量である絶対湿度に連動します。絶対湿度が小さい低い気温では影響は大きくありません。
低い室内温度の時に、超音波式や加熱式の加湿器で、無理やり水蒸気を押し込んでも効果はそこまで高くなく、建物のどこかで大量に結露を起こして、建物に負担をかけているかもしれません。
室内温度の上昇に合わせて、適切な量の加湿をすることが、寒くなく、建物の負担を抑えた湿度調整につながります。
適切な加湿量とは、ぬれたタオルを干した場合に、乾いていく程度の加湿量が目安になります。つまり、室内干しをしていれば適切な加湿ができるということになりますが(^^;、加湿器を使う場合は、できるだけセンサー付きのものを使用して、加湿しすぎにも気をつけましょう。
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<そこそこの室温と、暖かいものにあたる暖房>
そろそろ結論を出しましょう。^^
断熱性能のあまり高くない建物では、空気を温める系の暖房で寒くない程度(暖かいとまでは感じられないかも)の暖房をできるだけ長時間行い、暖かさが直接伝わる輻射熱系の暖房を適宜併用し、できるだけ床を冷まさないことに留意することが、寒さを我慢しない方法となります。

空気を温める系:エアコンかファンヒーター(石油、ガス、電気は問わない)など
輻射熱系:ストーブ(石油、ガス、電気は問わない)、床暖房、壁パネル、天井暖房など
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<お金をかけるなら>
最新の高性能エアコンを設置し、常時暖房により室内最低気温の底上げをする。この室内温度のコントロールには、窓の断熱工事(建物の断熱工事の中では、最も費用が安く効果的。)を行うことも、良いパフォーマンスを得られる。

快適性重視であれば、上記対応に加えて、床断熱か床暖房を検討し、家具を移動したりするのが面倒であれば、天井暖房を行う。

気軽にいくには、各種ストーブの併用とサーキュレーターで下向き気流を発生させ、床を温めることも意識する。

趣味として暖房を楽しみたければ、少しの工事は伴いますが、薪ストーブやペレットストーブをつけるのも素敵かも。この場合も、エアコンとの併用だと割り切るほうが、無理がない。
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<健康のために>
最後に、寒さによる健康被害について触れておきます。
寒いということが直接の原因で風邪をひくことはありませんが、寒いと免疫力が下がるので、結果間接的に風邪をひきやすい原因になります。
また、インフルエンザの予防に加湿が効果的だとはよく言われますが、寒い温度で相対湿度が高くても、死滅効果はそこまで高まらないようです。20度50%の時の絶対湿度以上が必要になります。これは、10度では相対湿度90%に相当します。(実質的に無理な湿度です。)
やはり、寒くてはだめだということです。
そして、温度差による心筋梗塞など、循環器系の疾患も心配です。

これらを考えると、寝室の就寝時暖房という点にも、もっとみんな留意する必要があります。

トイレや脱衣場の寒さについてよく話題に上りますが、循環器系の大敵である「温度差」というものが、最も大きくなりやすいのは、実は、布団の中と外です。
断熱性能の低い建物の場合、寝室の室温が一けた(寒波が来ているときは、室内でも吐息が白いなんてことも?)以下になることもあります。
布団から出る瞬間の温度差は、30度以上になることもあるかもしれません。
この瞬間が危ないのです。

就寝中の寝室の温度や湿度が、一定以下にならないようにコントロールできれば、寝室内で適切な着衣に着替えるなどで、別の部屋に移動する際の対策はできます。深夜のトイレだって怖くありません。

もったいない気持ちを押さえて、就寝中暖房をご検討ください。
18度くらいの室温と、50%強の湿度の維持を、是非心がけてください。

※これを省エネで実現する面白グッズも売り出されています。屋内用の専用テントを布団周りに張ることで、人体熱だけで暖かさと湿度を維持できるというものです。
テントから出るまでに着替えれば、室内が寒くても、その温度差を和らげることができるというものです。
シングルサイズ、セミダブルサイズ、等、あるみたいですよ。(^^)
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