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社長 萩森

地元に根付いて40年。 皆さんは家を「買って」いませんか? 家は「創る」ものだと考えています。 木の事はどうぞおまかせ下さい。

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寒い日に考える6

思考の準備体操が終わったので(長い準備体操でした。(^^;)、新築の場合の寒いのを我慢しないことについて考えていこうと思います。

<省エネルギー性が良い>
建物の温熱環境がすぐれていることを、建築の世界では省エネルギー性が良いといいます。
国の定める住宅性能表示制度でも、温熱環境の良さを示す等級の名前は「省エネルギー対策等級」という等級であらわされます。

これって、ちょっと変だと思いませんか?

省エネルギー対策と温熱環境の改善策は、確かに共通することは多いですが、全くイコールではありません。そもそも、温熱環境の心地よさの感じ方は、人によって異なりますし、こんなに寒い日であれば、いくら省エネルギー性能が良くても、室内に発熱するものが何もなければ寒いままです。
熱の供給の仕方(暖房の種類)によって、暖かさの種類も異なり、実際の省エネルギー性(ランニングコスト)や実際の温熱環境の快適性も異なります。

省エネルギー性能は大切ですが、それが温熱環境のすべてを決めるわけではありません。

<新築時の方針>
制約のないご予算がある場合は、いろいろな問題を力業で解決できることもあります。しかし、一般的には、敷地などの諸条件に加えて、予算的な制約もあり、一定の制約の中で最高のパフォーマンスを求めたいということになるものです。

その際、大きな方針をお尋ねすることがあります。
多少の我慢をしてでもできるだけ自然な快適さを求めたいか、人工的な快適さでも良いので常に安定して管理されていたほうが良いかという点です。

もちろん、できる限り両立を目指すわけですが、立地条件、必要な間取り、好みのデザイン、など、諸々の価値観とのバランスを考えながら、最良の回答を目指すという中にあっては、温熱環境に対する方針について、方向性を決めておくとよいと思います。

<暖房がなくても冬暖かいとは?>
新築お家で、暖房器具の一つも動いていないのにとても暖かいとすれば、ひょっとして夏は暑くてたまらない、ということになるかもしれませんよね?
逆もまたしかりです。
日光を調節して、取り入れたり遮ったりしながら、冬暖かく夏涼しいを実現したいところですが、敷地条件が厳しかったり、そのために必要な工夫(間取りやデザインを含む)が、暮らし方や家相などと両立しなかった場合に、どう折り合いをつけるかというのは、なかなかむつかしいところで、答えはその都度変わってきます。

<外の環境変化に左右されない>
一方、現在の省エネ対策の考え方は、外の環境変化に左右されず、少しのエネルギーで室内の環境をコントロールできるようにという考え方です。
朝の室内の温度は昼間でもあまり変わらず、冬であれば日差しが出ても寒いまま、夏であれば日差しが出ても涼しいまま、ということを目指すわけです。その代わり、わずかなエネルギーで暖かくも涼しくもできやすくなります。

これに対しては、ちょっと抵抗を感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。

設計者としては、四季によって変わる太陽の高さや、風通し、建物の中によくいる時間帯、花粉症かどうか、防犯に特に気を使うべき地域かどうか、などなどの要素を考えながら、やはり、できるだけ自然を取り込みたいと志向するんですけどね。

<快適性と省エネ性>
そんなわけで、ハウスメーカーや建材メーカーをはじめ、国が政策として進めていることは、使用エネルギーについての視点で評価しているものであって、そこで高い評価を得られることがそのまま快適性につながるかというと、そこには基本的に関連性はありません。
たまたま、快適性を追求する対応策が、省エネルギーの対策と重なるだけです。
「室内の上下で温度差があると不快だから、快適にするために均一の温環境にしたい。そのためにはある程度の断熱性能が必要。結果、省エネにもなる。」といった具合です。

数値での評価はとても有効で、外皮性能という考え方も、建物の性能を客観的にとらえられ、設計の役にも立ちます。
しかし、数値はあくまで数値で、それは快適性を実現するために生かすものでなくてはならず、数値を達成するために快適性を犠牲にするようなことがあっては、本末転倒です。

次回は、そのあたりのお話を続けていこうと思います。

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