キッチン:各メーカーの特徴を生かした「たたき台」提案

メーカーはしごツアーに出かけよう!

住宅のキッチンは、大きく分けてメーカーの既製品と、現場ごとに作るオーダー品とに分けることができます。

建築家の設計などでよく使われるオーダー品のキッチンは、通常その家のコンセプトに沿ったものとなります。

一方、キッチンメーカー各社は、キャビネット(骨組み)、ワークトップ(天板)、扉材、機器類(水栓、コンロ、レンジフード、食洗器など)について、各社が考える最良の組み合わせ(自社工場の強みも含む)で製品提案をしています。
既製品を選ぶ場合は、そのキッチンの特長ができるだけ家のコンセプトに反しないものを選びたいものです。

各社の製品ポリシーは、中上級製品により強く現れます。
しかし、実際は、上級グレードで気に入ったキッチンを選ぶと、すぐに200万、300万円といった金額になってしまいます。

そこで今回は、弊社が各メーカーの上級グレードから組み合わせを厳選し、工事費込みで80-100万円程度の価格帯(弊社目安価格)に収めながらも、各社の強みを生かした提案例を作成しました。

その事例を一気に見比べることによって、各メーカーの考え方や、最新のキッチンの機能をいっぺんに知ることができます。

 

自分に合ったキッチン自分の家のコンセプトに合ったキッチン、それがどのようなものかを考えるには、それぞれの特徴をしっかり反映した実際のプラン例を一気に体験することが、とても有効な方法の一つだと思います。


弊社の、「3社のキッチンをはしご見学」が、さまざまな考え方の中で、自分の家づくりに合ったキッチン選びをする参考になればいいなと思っています。

 

『3社のキッチンをはしご見学』

行程: 萩森建設集合(13:00)→弊社手配者にてクリナップ(13:15)→TOTO(14:15)→ウッドワン(15:15)

 

※道中は、弊社手配車で移動しますので、出発時間までに手ぶらでご集合いただくだけで参加できます。(要予約)

※開催日は、弊社イベントカレンダーを参照、または、直接お問い合わせください。

※メーカー自身は強みを限定するようなことや、普及商品とのバランスもあるので、特徴をはっきりと打ち出しているわけではありません。メーカーの成り立ちや製品構成、担当者のお話などから、できるだけ客観的に正確な分析を心がけていますが、下記特徴は、弊社担当荻野の分析であることをご了承下さい。

※まずは3社ですが、随時、追加・更新していきたいと思います。

ウッドワン 「無垢がはぐくむ家族のキッチン」

同社は、無垢の木材にこだわったキッチンのメーカーです。もともと、床材や建具など建材を得意としているだけあって、部屋に溶け込むやさしいデザインを得意としています。木の種類は豊富で、高級なチーク材やカエデなどもありますが、自社所有林で育てるパイン材がやはり一番お得意のようで、形状や塗装色も豊富です。

機器類は自社では開発をしていません。それを逆手に取った戦略も推進しており、水栓金具からコンロ、食洗器、レンジフードに至るまで、さまざまなメーカーのさまざまな商品に柔軟に対応します。
カタログ掲載機器も複数のメーカーの個性的な物が並んでいます。

LDKにあって自然に溶け込むような、木でできた家具調キッチンで、品質の担保されたメーカー既製品という、他に代えがたいポジションを持っているメーカーです。

提案は、その特徴を生かせるアイランド型の白い人工大理石のワークトップに、デザインに優れた浄水器一体型水栓とLDKの空間にあってもやさしいアーチ形のレンジフードを組み合わせ、キャビネットの背面(リビング側)も無垢の木材パネルを貼ったタイプを作成しました。

「台所」という概念をなくす、家族の空間のなかにある家具のようなキッチンの提案です。

 

ウッドワン

TOTO 「スイスイキッチン」

言わずもがなの、設備機器の勇です。
同社の特徴を一言でいえば、やはり大手らしい「信頼性」ということになるのかなと思います。
例えば、他社と同じ木製キャビネットでも、「しっかり作る」という姿勢は一貫しており、耐久性にかかわる部材に関して、普及品も含めて一定水準以上を確保しており(例えば普及価格帯でも下地材のMDFに高密度のものを使うなど)、一般の人が知ることのないような部分でも手抜きは感じられません。
長持ちするしっかりした作りのものが欲しい、というまっとうな要望に対して、もっとも安心して選ぶことができます。

それだけではつまらないキッチンと思われるかもしれませんが、実は革新性も強く、同社でなくては得られないものも多いです。
例えば、同社は水栓金具などを他社に供給する立場でもありますが、最新の水栓は他社に供給していないため、TOTO製キッチンでなくては手に入りません。そのほか、機器メーカーとの共同開発品を含め、食器洗浄機やコンロなど、TOTOでなくては採用できない機器が多いのは、パナソニックと並んで隠れたTOTOキッチンの特徴の一つだと思います。

そうした革新性のある要素が、ごちゃごちゃした機能を付け足す方向ではなく、既存の機能を使いやすくする方向に進化していて、特別な機能を覚えることなく革新性の恩恵にあずかれるのは、好感が持てます。

今回は、そんなTOTOのキッチンから、上位モデルの「クラッソ」のシリーズを選び、TOTOならではの機器類を組み合わせたプランを作成してみました。
「ふつう」の台所仕事が、自然に「スイスイ」できるキッチンの提案です。

TOTO

クリナップ 「こだわり ステンレスキッチン」


同社は、ステンレス素材にこだわったキッチンのメーカーです。
ステンレスは菌や虫に対して有利で、「清潔感」に優れた仕様です。同社は、ステンレスの品質で競合他社に負けるわけにはいかないという気概もあり、同じステンレス材を使ったキッチンの中でも質感は高いです。

清掃性のこだわりも強く、レンジフードの清掃など常に新しい提案をしています。最新のレンジフードでは、自動洗浄機能付きとなっています。

また、もともとキッチンをリビング(くつろぎ空間)に近づける工夫では先駆的なメーカーなので、例えばTVの音を邪魔しないような静音対策などは、製品ポリシーとして徹底されています。

「清潔感」「清掃性」「静寂性」には、特別に強いこだわりを感じるメーカーです。

同社最上級のSSシリーズの中から、選べるオプションを制限して価格を抑えたライトパッケージでプランを作成しました。
ステンレスキャビネット、強くコートされたステンレスのワークトップ、自動洗浄機能を備えたレンジフード、サイレントレールといった、「清潔感」「清掃性」「静寂性」を実現する要素は妥協せずに、食洗器やガラストップコンロなどを組み合わせた提案です。

 

クリナップ

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社長 萩森

地元に根付いて50年。 皆さんは家を「買って」いませんか? 家は「創る」ものだと考えています。 木の事はどうぞおまかせ下さい。

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