高気密なのに鋭い隙間風を感じるのはなぜ?
高気密の家で気になる、空気と寒さの話
1. 風の少ない日に「鋭い」隙間風を感じる
高気密とは、建物の隙間が少ないことです(気密性能の指標であるC値は、小さいほど隙間が少ないことを示します)。ただし、高気密の家でも、空気の入り方によっては局所的な隙間風を感じることがあります。
たとえば、レンジフードを回したときだけ、サッシの合わせ目などから細く強い風が入る場合。排気に見合う空気が給気口から入らず、室内の気圧が外より低くなっていることが考えられます。この状態を「負圧」といいます。
高気密の家では、空気が入れる場所が限られています。給気が足りないと、残った小さな隙間から空気が勢いよく入り、風を感じる場合があるのです。高気密そのものが悪いという話ではなく、排気と給気のバランスを確かめる必要があります。
まずは給気口が開いているか、フィルターが詰まっていないかを確認します。換気扇を強く動かしている間は、窓を少し開けるなど、一時的に排気に見合う給気を確保しましょう。建物のわずかな隙間から無理に空気を引き込まないよう、空気の入り口をつくる気づかいも大切です。
2. 風が強い日に隙間風を感じる
風の強い日だけ冷たい空気が入るなら、外の風圧が影響していると考えられます。建物に隙間が多いほど、その影響を受けやすくなります。ただし、風を感じるだけで家全体の気密性能が低いとは言い切れません。窓の一部や給気口など、特定の場所から入っている場合もあります。
まず、どこから風が入るのかを確かめます。サッシの合わせ目なら、建付けやパッキンの状態を点検します。給気口からの風なら、製品に合った風量調整や風向きの工夫ができないか確認してください。
寒いからと給気口をすべて塞いでしまうと、必要な換気ができなくなります。隙間の補修と換気のための空気の入り口は、分けて考えましょう。広い範囲から隙間風が入る場合は、気密測定や改修も含めて相談すると原因を絞り込みやすくなります。
3. お風呂の湿気が引かない・結露する
お風呂の湿気がなかなか引かないときは、換気扇だけでなく、空気の入り口も確認します。換気扇が動いていても、浴室に入る空気が不足していると、湿気を十分に排出できません。
浴室の換気扇を使うときは、一般に窓とドアを閉め、ドアの通気口などから空気を取り入れます。窓を開けると、窓から換気扇へ空気が近道をして、浴室全体が乾きにくくなる場合があるためです。使い方は設備の取扱説明書で確認し、ドアの通気口や換気扇のフィルターにたまったほこりも取り除きましょう。
一方、壁や天井が冷えていると、湿った空気が触れて結露します。水滴を拭き取る、浴槽にふたをすることも乾燥の助けになります。換気を続けても結露が多い場合は、浴室や脱衣室の断熱・暖房も見直します。暖めるだけでは湿気は外へ出ないので、換気と合わせて考えることが大切です。
4. 高気密だと、空気がこもる?
高気密は、空気を入れ替えないという意味ではありません。意図しない隙間を減らし、換気設備を通して必要な空気を入れ替える、という考え方です。
においや湿気がこもると感じたら、まず24時間換気が動いているか、給気口やフィルターが塞がっていないかを確認します。室内のドアの通気部分も、空気の通り道になっています。
隙間が多い家でも、風のない日に十分な換気ができるとは限りません。高気密かどうかにかかわらず、必要な換気量を確保することが大切です。掃除や使い方を見直しても改善しない場合は、設備の風量や部屋ごとの空気の流れを点検してもらいましょう。
5. 高気密なのに、エアコン暖房が効かない
高気密と高断熱は、別の性能です。隙間が少なくても、窓や壁から熱が逃げやすければ、暖房は効きにくくなります。部屋の広さや熱の逃げ方に対して、エアコンの暖房能力が足りない場合もあります。
また、室温は上がっているのに寒く感じるなら、給気口からの冷気が体に直接当たっていないか、足元まで暖かい空気が届いているかも見てください。窓際で冷やされた空気が床へ流れ下りることもあり、冷たい風を感じても、必ずしも隙間風とは限りません。
まずはエアコンの設定やフィルター、風向きを確認します。そのうえで、給気口の位置や風の当たり方、内窓などの断熱対策、暖房機器の能力を順に見直します。足元の寒さには補助暖房が役立つこともありますが、家全体が暖まらない原因とは分けて考えましょう。
高気密の家を快適にするには、隙間を減らすだけでなく、空気をどこから入れてどこへ出すか、熱をどう逃がさないかも大切です。「いつ、どこで、どの設備を使ったときに気になるか」を伝えると、原因を確かめやすくなります。
