乾燥時間・費用・工事・オール電化との相性を比較し、洗濯機+エアコンという選択肢も紹介します。
洗濯物を外に干さず、天候に左右されずに乾かしたい。そう考えて、ドラム式洗濯乾燥機や乾太くんを検討する方が増えています。
ただし、新築の衣類乾燥は「どの家電を買うか」だけでは決まりません。電源、ガス、排湿管、物干しスペース、収納まで含めて考えないと、後から設置できなかったり、家事動線が使いにくくなったりします。
この記事では、次の3方式を中心に比較します。
- ヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機
- 洗濯機+乾太くん(ガス・屋外排気)
- 洗濯機+Solaire(電気・屋外排気)
最後に、萩森建設がかなりおすすめしている「洗濯機+エアコン」という考え方も紹介します。
※製品仕様と料金条件は2026年9月1日時点のメーカー公表値を基にしています。実際の運転時間や費用は、衣類、気温、契約料金、設置条件によって変わります。
先に結論。何を優先するかで選択が変わります
- 洗濯物を移し替えず、1台で終わらせたいなら、ヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機
- 乾燥の速さを最優先するなら、乾太くん
- オール電化を維持しながら洗濯機と乾燥機を分けたいなら、Solaire
- ランニングコスト、対応力、人にも快適な空間まで考えるなら、洗濯機+エアコン
| 組み合わせ | 代表製品 | イニシャルコスト | 新築工事対応 | 乾燥時間 | ランニングコスト | 電化・構造 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機洗濯から乾燥まで自動。低温除湿で省エネだが、洗濯機と乾燥機が一体なので故障時の影響範囲は広い。 | Panasonic NA-LX129E | 約30~40万円本体+通常設置の概算 | △ 設置寸法・搬入・給排水 | 約98分/6kg洗濯~乾燥 | 約25円/6kg洗濯~乾燥の電気代 | オール電化 ○ ⚙3 |
| 洗濯機+ガス衣類乾燥機・屋外排気6kgを約1時間。洗濯と乾燥を同時進行できる一方、ガス・排湿管・給気・設置台を計画する。 | リンナイ 乾太くん RDT-63 | 約40~55万円本体21.12万円+洗濯機・台・工事の概算 | ◎ ガス・排湿管・壁貫通・給気 | 約60分/6kg乾燥のみ | 約96円/6kgLPガス+電気・公式条件 | オール電化 × ⚙2 |
| 洗濯機+電気ヒーター乾燥機・屋外排気200Vと屋外排気で、従来の100V除湿式より時短。オール電化住宅で乾燥機を分離したい新築向け。2026年11月発売予定。 | Panasonic Solaire NH-EN12A1 | 未公表・要見積本体はオープン価格、工事費別 | ◎ 200V専用回路・排湿管・壁貫通・給気 | 約135分/6kg乾燥のみ・60Hz | 金額未公表公式試算はLPガス乾太くんより低い | オール電化 ○ ⚙1 |
| ヒーター式ドラム洗濯乾燥機・室内排気コンパクトで導入しやすいが、湿った空気を室内へ出すため換気が必要。ヒートポンプより電力と時間が増える。 | Panasonic NA-SD10UB | 約20~25万円公式通販19.701万円+設置の概算 | △ 換気・離隔・給排水 | 約195分/5kg洗濯~乾燥 | 約62円/5kg洗濯~乾燥1.98kWhの電気代 | オール電化 ○ ⚙2 |
| ヒーター式ドラム洗濯乾燥機・水冷除湿湿気を冷却水で結露させて排水。室内湿度は上げにくいが、電気と乾燥時の水を多く使う。 | 方式解説(現行主力外) | 現行機種は限定的中古・旧型中心で比較対象外 | — 通常の給排水 | 機種差が大きい参考旧型は6kgクラス | 約75円+冷却水参考旧型2.4kWhから電気代を算出 | オール電化 ○ ⚙2 |
| 縦型洗濯乾燥機・ヒーター水冷除湿縦型1台で完結。乾燥時も冷却水を使い、衣類の絡みやシワ、消費電力はドラム式ヒートポンプより不利。 | Panasonic NA-FW10K1 | 約18~25万円本体+通常設置の概算 | — 通常の給排水 | 約210分/5kg洗濯~乾燥 | 約71円+冷却水洗濯~乾燥2.29kWhの電気代 | オール電化 ○ ⚙2 |
| 洗濯機+小型電気乾燥機・室内排気100V・2.5kgの小型機。背面ダクトは排気を上向きにするだけで屋外排気ではなく、室内の換気が必要。 | CCP ZJ-CD43 | 約12~18万円洗濯機+小型乾燥機の概算 | △ 強い換気・設置離隔 | 公称値なし/2.5kg6kg比較不可 | 公称値なし定格720W | オール電化 ○ ⚙1 |
| 洗濯機+電気ヒーター乾燥機・空冷除湿湿気を機内で結露させて排水する一般的な乾燥専用機。工事は軽いが、排熱と長い乾燥時間に注意。 | Panasonic NH-D605 | 約18~25万円洗濯機・乾燥機・台の概算 | △ 排水・設置台・換気 | 約245分相当/6kgSolaireの45%短縮値から逆算 | 公称値なし定格1,255W | オール電化 ○ ⚙2 |
| 洗濯機+ヒートポンプ乾燥専用機・除湿排水100Vで9kgまで乾燥でき、排水はタンクまたはホース。大容量と同時運転向きだが、6kgでも時間は長め。 | Haier FUWATO JZ-K90A | 約24~28万円乾燥機予想13.8万円+洗濯機・台の概算 | △ 設置面積・台・排水 | 約180分/6kg乾燥のみ | 公称値なし定格580/650W | オール電化 ○ ⚙3 |
| 洗濯機+ガス温水式乾燥機・屋外排気ガス熱源機の温水を使う新方式。乾太くんより遅いが、浴室暖房乾燥機と設備をまとめられる可能性がある。2026年秋発売予定。 | リンナイ RDO-60 | 約45~70万円以上本体18.48万円+洗濯機・熱源・配管の概算 | ◎ 熱源機・温水往復管・排湿管 | 約84分/6kg乾燥のみ | 公称値なしガス料金・熱源機条件で変動 | オール電化 × ⚙3 |
| 洗濯機+電気式浴室暖房乾燥機浴室を物干し室に兼用。タンブル乾燥ではないため干す作業が必要で、浴室の広さや季節で時間が変わる。 | Panasonic FY-13UG7E | 約25~40万円洗濯機+本体・天井・ダクト工事の概算 | ◎ 天井開口・ダクト・専用回路 | 約105分/2kg100V・1坪・20℃の例 | 約71円/2kg100V・1坪・20℃の例 | オール電化 ○ ⚙2 |
| 洗濯機+ガス温水式浴室暖房乾燥機浴室暖房と衣類乾燥を兼用。干す作業は必要だが2kg約60分の公称例があり、熱源機と温水配管を使う。 | リンナイ RBHシリーズ | 約45~75万円以上洗濯機・本体・熱源機・工事の概算 | ◎ 熱源機・温水管・天井・ダクト | 約60分/2kg公称例・乾燥のみ | 約80円/2kg旧料金条件の公式例 | オール電化 × ⚙3 |
| 洗濯機+エアコン萩森建設の提案ランドリールームに干し、エアコンで室温・湿度を調整。専用乾燥機を増やさず、衣類量や季節に対応しながら、人にも快適な空間をつくりやすい。 | Panasonic 全自動洗濯機 Panasonic ルームエアコン |
約15~30万円(概算)全自動洗濯機+小容量エアコンの概算。建築側の物干し・造作費は別 | △ エアコン電源・配管・室外機・物干し | 条件差大(室内干し)衣類量・間隔・室容積・断熱性・季節・設定で変動 | 使用条件で変動部屋の広さ・外気温・設定温湿度・運転時間で変動 | オール電化 ○ ⚙1・機器分離 |
工事:◎ 専用工事が必要・新築時の計画を強く推奨 △ 設置場所・換気・排水などを先に計画 — 一般的な洗濯機設置の範囲構造:⚙1 比較的単純 ⚙2 中程度 ⚙3 複雑。故障率ではなく、部品構成と修理時の影響範囲の目安です。数値が公表されていない方式は、並べ替え時に末尾へ表示します。
比較表を見るときは、時間の条件に注意してください。ドラム式洗濯乾燥機の公称時間は「洗濯開始から乾燥終了まで」、乾太くんやSolaireは「脱水した衣類を乾燥機に入れてから」の時間です。単純に数字だけを比べると、実際の家事時間とずれる場合があります。
1.ヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機
ヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機の最大の強みは、洗濯物を入れた後、乾燥まで自動で終わることです。洗濯機から乾燥機へ移し替える必要がありません。
例えば、Panasonicの上位機種NA-LX129F(2026年10月上旬発売予定)は、洗濯12kg・乾燥6kg。定格6kgのおまかせコースでは、洗濯から乾燥まで約98分、消費電力量は約800Whです。電気料金を31円/kWhとすると、電気代の目安は約25円になります。
屋外排気ダクトやガス配管は不要で、一般的な洗濯機と同じように給水、排水、100V電源を確保して設置します。ただし、本体が大きく重いため、搬入経路、防水パン、水栓の高さ、扉の開き方は設計段階で確認したいところです。
ヒートポンプ式ドラムの長所
- 洗濯物の移し替えがいらない
- 洗濯から乾燥までの公称時間が短い
- ヒーター式より消費電力を抑えやすい
- 屋外排気ダクトやガス工事が不要
- 約65℃の低温風で衣類への負担を抑えやすい
注意点
- 洗濯容量より乾燥容量が小さい機種が多い
- 洗濯機能と乾燥機能が1台に集約され、構造は複雑
- 故障箇所によっては洗濯と乾燥の両方が使えなくなる
- フィルターや排水経路の手入れが乾燥性能に影響する
構造が複雑だから必ず故障しやすい、とは言えません。ただし、部品点数が多く、故障時の影響範囲が大きくなりやすいことは、分離型との違いとして考えておく必要があります。
2.洗濯機+乾太くん・屋外排気
乾燥時間の速さで選ぶなら、ガス衣類乾燥機の乾太くんが有力です。
リンナイの公表値では、RDT-63は衣類6kgを約60分で乾燥します。6kgの乾燥コストは、LPガスと電気を合わせて約96円です。ただし、これはLPガス5.9円/MJ、電気31円/kWhなど、メーカーが定めた条件による試算です。
6kgモデルRDT-63の希望小売価格は税込211,200円ですが、実際には洗濯機、設置台、排湿管、壁貫通、ガス配管などの費用が加わります。製品ラインアップ
乾太くんの長所
- 6kgを約60分で乾燥できる
- 洗濯中に別の衣類を乾燥できる
- タオルをふんわり仕上げやすい
- 洗濯機と乾燥機が別なので、片方の故障時ももう片方を使える
新築時に必要な計画
- ガス配管またはガス栓
- 屋外へ出す排湿管と外壁貫通
- 排気による音、蒸気、ニオイが隣家や窓へ向かない配置
- 乾燥に使った空気を補う給気
- 本体重量に対応した設置台または造作棚
- 洗濯機から乾燥機へ移しやすい高さと動線
乾太くんのためだけにガスを引く場合は、基本料金を含めて検討します。オール電化住宅として計画している場合は、乾燥時間の速さと、ガス設備を追加する費用のどちらを優先するかが判断点になります。
3.洗濯機+Solaire・屋外排気
PanasonicのSolaire(ソレイル)は、単相200Vの電気ヒーターと屋外排気を組み合わせた乾燥専用機です。2026年11月上旬の発売予定で、乾燥容量は6kg。本体価格はオープン価格です。
メーカー発表では、60Hz・標準コース・6kgの乾燥時間は約135分。従来の100V除湿式電気乾燥機と比べて、約45%短縮したとしています。
ヒートポンプ式ではありません。ヒーターで温めた空気を衣類へ送り、水分を含んだ空気を機内で冷やして排水せず、そのまま屋外へ出します。機内で除湿する工程を省き、200Vの熱量を使うことで、従来の電気乾燥機より速く乾かす考え方です。
Solaireの長所
- オール電化住宅でも採用できる
- 洗濯機と乾燥機を分離できる
- 洗濯と乾燥を同時進行できる
- ガスの基本料金が発生しない
- 夜間電力や太陽光発電との組み合わせを考えやすい
新築時に必要な計画
施工FAQによると、次の工事が必要です。
- 単相200V・15Aの専用回路
- 接地2Pコンセント
- 壁または天井の穴開け
- 不燃材を使った屋外排湿管
- 外壁の排気フード
- 約100m³/hの排気に対応する給気計画
- 本体を固定できる設置台または棚
乾燥時間は約135分なので、6kgを約60分で乾かす乾太くんより時間がかかります。また、洗濯から乾燥まで約98分の上位ヒートポンプ式ドラムと比べても、1回分だけならドラム式が速い場合があります。
それでもSolaireが意味を持つのは、「オール電化」「洗濯機と乾燥機を分けたい」「2回目の洗濯と1回目の乾燥を同時に進めたい」という条件が重なる家庭です。
オール電化なら、ドラム式とSolaireのどちらを選ぶ?
1回の洗濯を自動で早く終わらせたいなら、ヒートポンプ式ドラムが有利です。洗濯物を移す必要もありません。
一方、家族が多く、1日に複数回洗濯する家庭では、洗濯機と乾燥機が別であることが効いてきます。1回目をSolaireで乾かしながら、洗濯機では2回目を洗えるからです。
また、故障や買い替えを考えると、分離型は洗濯機と乾燥機を別々に交換できます。ドラム式の利便性を取るか、分離型の同時運転と交換しやすさを取るか。ここは乾燥時間だけでは決められません。
萩森建設の提案は「洗濯機+エアコン」
3方式を比較したうえで、萩森建設がかなりおすすめしているのが、洗濯機とエアコンを組み合わせたランドリールームです。
洗濯後の衣類はランドリールームに干し、エアコンで室温と湿度を整えながら乾かします。冷房・除湿・暖房を季節に応じて使い分けられ、乾燥のためだけの機械を増やさずに済むのが特徴です。
専用乾燥機のように、洗濯物を入れてボタンを押すだけではありません。干す手間は残り、乾燥時間と電気代も、衣類の量と間隔、部屋の広さ、断熱性、季節、エアコンの設定によって変わります。そのため「6kgを何分・何円」といった固定値での比較には向きません。
しかし、この方式には別の強さがあります。
- 少量の洗濯物からシーツなどの大物まで対応しやすい
- 高額な専用乾燥機や特殊な排気設備に依存しにくい
- 一般的な機器で構成でき、初期費用と将来の交換費用を調整しやすい
- 洗濯機とエアコンを個別に交換でき、故障時の影響を分けやすい
- エアコンは必要な季節・時間だけ使えるため、運転方法を調整しやすい
- 洗濯物を干す、畳む、収納する人にとっても快適な室温をつくれる
- 花粉や雨を気にせず、日常の室内干しに対応できる
新築では、エアコン用の電源と配管スリーブ、室外機置場、物干し金物、衣類の間を風が通る寸法、乾いた衣類をその場で畳んで収納できる動線を先に計画します。
専用乾燥機の能力だけを比べるのではなく、ランドリールームそのものを「洗濯物が乾きやすく、人にも使いやすい空間」にする。一般的な機器を組み合わせるため、予算に合わせて段階的に整えやすい点も魅力です。
どの方式が向いているか
ヒートポンプ式ドラムが向く家庭
- 洗濯物を移し替えたくない
- 夜に入れて朝までに終わらせたい
- 1日1回程度の洗濯が中心
- 特殊な排気・ガス工事を避けたい
乾太くんが向く家庭
- とにかく乾燥時間を短くしたい
- タオルや日常着を頻繁に乾かす
- 1日に複数回洗濯する
- ガスと屋外排気の工事ができる
Solaireが向く家庭
- オール電化を維持したい
- 洗濯機と乾燥機を分けたい
- 洗濯と乾燥を同時進行したい
- 新築時に200V電源と排湿管を計画できる
洗濯機+エアコンが向く家庭
- 大物を含めて柔軟に室内干ししたい
- 専用乾燥機を増やさずに計画したい
- ランドリールームを人にも快適な空間にしたい
- 初期費用や将来の交換費用を調整しやすくしたい
まとめ|乾燥機ではなく、洗濯空間全体で考える
乾燥時間だけなら乾太くん、移し替えの少なさならヒートポンプ式ドラム、オール電化の分離型ならSolaireが有力です。
ただし、洗濯のしやすさは乾燥機だけでは決まりません。洗う、干す、乾かす、畳む、収納するまでが短い動線でつながっているか。排気や電源を無理なく設置できるか。故障や買い替えのときも暮らしを止めずに済むか。そこまで含めて考える必要があります。
「どの乾燥機を置くか」だけでなく、「洗濯物がよく乾き、人にも快適な空間をどうつくるか」まで考える。これが、萩森建設がおすすめする洗濯・乾燥計画です。
