乾太くん、ドラム式、Solaire。新築での選び方を、洗濯機+エアコンまで含めて考えます。
家づくりの打ち合わせでは、「洗濯物は外に干さず、家の中で乾かしたい」という話がよく出ます。
候補になるのは、ドラム式洗濯乾燥機や乾太くん。オール電化なら、PanasonicのSolaireが気になっている方もいると思います。
ここで先に考えておきたいのが、乾燥機はあとから置けば済む家電ばかりではない、ということです。ガスや200V電源、屋外へ出す排湿管が必要な機種もあります。新築なら、機械を決める前に洗濯室のつくり方まで一緒に考えた方が、あとで困りません。
この記事では、ヒートポンプ式ドラム、乾太くん、Solaireを中心に比べます。最後に、萩森建設でよく提案している「洗濯機+エアコン」の方法も取り上げます。
新築の衣類乾燥は、大きく3つの考え方があります
一台で終える
ヒートポンプ式
ドラム洗濯乾燥機
乾燥機を分ける
乾太くん(ガス)
Solaire(200V)
部屋で乾かす
洗濯機+物干し
+エアコン
※製品仕様は2026年9月1日時点。費用は一般的な新築時の目安です。
まずは、全体を表で比べます
時間だけでなく、工事や費用も含めて並べました。時間は「洗濯を始めてから乾くまで」と「乾燥だけ」を分けています。気になる項目で並べ替えてみてください。
時間の見方:全工程時間は6kgを基準に、洗濯・脱水のメーカー表記がない組み合わせは40分、乾燥機への移し替えは5分として試算しています。ドラム式はメーカー公表の洗濯~乾燥時間です。
「乾燥工程のみ」は6kgの時間が確認できる方式だけを並べ替えます。5kg・2kgの公表値は参考表示とし、時間ソートでは末尾に表示します。
| 組み合わせ | 代表製品 | イニシャルコスト | 新築工事対応 | 時間比較 | ランニングコスト | 電化・構造 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 一台で終えるヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機洗濯物を移さず、そのまま乾燥まで。毎日は楽だが、故障すると洗濯と乾燥の両方に影響しやすい。 | Panasonic NA-LX129E | 標準約30~40万円(本体+通常設置) | △ 設置寸法・搬入・給排水 | 全工程 約98分/6kg洗濯~乾燥・メーカー公表値乾燥のみ:公表値なし | 安く抑えやすい約25円/6kg(洗濯~乾燥の電気代) | オール電化 ○ ⚙3 |
| 乾燥機を分ける洗濯機+ガス衣類乾燥機・屋外排気とにかく速い。洗濯と乾燥を同時に回せるが、ガス・排湿管・給気・設置台は新築時に決めておきたい。 | リンナイ 乾太くん RDT-63 | 高い約40~55万円(洗濯機・台・工事を含む目安) | ◎ ガス・排湿管・壁貫通・給気 | 全工程 約105分/6kg比較用試算:洗濯・脱水40分+移し替え5分+乾燥60分乾燥のみ 約60分/6kgメーカー公表値 | 標準的約96円/6kg(乾燥のみ・LPガス+電気。基本料金を除く) | オール電化 × ⚙2 |
| 乾燥機を分ける洗濯機+電気ヒーター乾燥機・屋外排気オール電化で、洗濯機と乾燥機を分けたい家向け。200Vと屋外排気が必要。2026年11月発売予定。 | Panasonic Solaire NH-EN12A1 | 高い本体はオープン価格。200V・排湿工事を含め要見積 | ◎ 200V専用回路・排湿管・壁貫通・給気 | 全工程 約180分/6kg比較用試算:洗濯・脱水40分+移し替え5分+乾燥135分乾燥のみ 約135分/6kgメーカー公表値・60Hz | 比較的安い金額未公表。公式比較ではLPガス式乾燥機より低い | オール電化 ○ ⚙1 |
| 一台で終えるヒーター式ドラム洗濯乾燥機・室内排気コンパクトで導入しやすいが、湿った空気を室内へ出すため換気が必要。ヒートポンプより電力と時間が増える。 | Panasonic NA-SD10UB | やや安い約20~25万円(本体+通常設置) | △ 換気・離隔・給排水 | 全工程 約195分/5kg洗濯~乾燥・メーカー公表値。6kg時間ソート対象外乾燥のみ:公表値なし | 標準的約62円/5kg(洗濯~乾燥の電気代) | オール電化 ○ ⚙2 |
| 一台で終えるヒーター式ドラム洗濯乾燥機・水冷除湿湿気を冷却水で結露させて排水。室内湿度は上げにくいが、電気と乾燥時の水を多く使う。 | 方式解説(現行主力外) | 参考現行主力外。機種により差が大きい | — 通常の給排水 | 全工程:公表値なし機種差が大きく、6kg時間ソート対象外乾燥のみ:公表値なし | 標準的ヒーター電力に加えて乾燥時の冷却水を使用 | オール電化 ○ ⚙2 |
| 一台で終える縦型洗濯乾燥機・ヒーター水冷除湿縦型1台で完結。乾燥時も冷却水を使い、衣類の絡みやシワ、消費電力はドラム式ヒートポンプより不利。 | Panasonic NA-FW10K1 | やや安い約18~25万円(本体+通常設置) | — 通常の給排水 | 全工程 約210分/5kg洗濯~乾燥・メーカー公表値。6kg時間ソート対象外乾燥のみ:公表値なし | 標準的約71円/5kg(洗濯~乾燥の電気代)+乾燥時の冷却水 | オール電化 ○ ⚙2 |
| 乾燥機を分ける洗濯機+小型電気乾燥機・室内排気100V・2.5kgの小型機。背面ダクトは排気を上向きにするだけで屋外排気ではなく、室内の換気が必要。 | CCP ZJ-CD43 | 安い約12~18万円(洗濯機+小型乾燥機) | △ 強い換気・設置離隔 | 全工程:公表値なし乾燥時間を確認できず、6kg時間ソート対象外乾燥のみ 約210分/2.5kg標準コース・取扱説明書。6kg時間ソート対象外 | 高くなりやすい2.5kg・標準約210分。量が多いと複数回運転 | オール電化 ○ ⚙1 |
| 乾燥機を分ける洗濯機+電気ヒーター乾燥機・空冷除湿湿気を機内で結露させて排水する一般的な乾燥専用機。工事は軽いが、排熱と長い乾燥時間に注意。 | Panasonic NH-D605 | やや安い約18~25万円(洗濯機・乾燥機・台) | △ 排水・設置台・換気 | 全工程 約290分相当/6kg比較用試算:洗濯・脱水40分+移し替え5分+乾燥245分相当乾燥のみ 約245分相当/6kgSolaireの45%短縮という公表値から逆算 | 高くなりやすいヒーター式・定格1,255W。長時間運転になりやすい | オール電化 ○ ⚙2 |
| 乾燥機を分ける洗濯機+ヒートポンプ乾燥専用機・除湿排水100Vで9kgまで乾かせる大容量機。洗濯と同時に回せるが、6kg約180分と乾燥はじっくり。 | Haier FUWATO JZ-K90A | 標準約24~28万円(洗濯機・乾燥機・台) | △ 設置面積・台・排水 | 全工程 約225分/6kg比較用試算:洗濯・脱水40分+移し替え5分+乾燥180分乾燥のみ 約180分/6kgメーカー公表値 | 比較的安いヒートポンプ式。1回当たりの消費電力量は未公表 | オール電化 ○ ⚙3 |
| 乾燥機を分ける洗濯機+ガス温水式ドラム乾燥専用機・屋外排気ガス熱源機の温水を使う新方式。乾太くんより遅いが、浴室暖房乾燥機と設備をまとめられる可能性がある。2026年秋発売予定。 | リンナイ RDO-60 | 高い約45~70万円以上(熱源・配管条件で変動) | ◎ 熱源機・温水往復管・排湿管 | 全工程 約129分/6kg比較用試算:洗濯・脱水40分+移し替え5分+乾燥84分乾燥のみ 約84分/6kgメーカー公表値 | 標準的金額未公表。ガス料金・熱源機条件で変動 | オール電化 × ⚙3 |
| 部屋で乾かす洗濯機+電気式浴室暖房乾燥機浴室を物干し室に兼用。タンブル乾燥ではないため干す作業が必要で、浴室の広さや季節で時間が変わる。 | Panasonic FY-13UG7E | 標準約25~40万円(本体・天井・ダクト工事) | ◎ 天井開口・ダクト・専用回路 | 全工程 約150分/2kg比較用試算:洗濯・脱水40分+移し替え5分+乾燥105分。6kg時間ソート対象外乾燥のみ 約105分/2kgメーカー公表例・100V・1坪・20℃ | 高くなりやすい約71円/2kg(1坪・20℃の公式例) | オール電化 ○ ⚙2 |
| 部屋で乾かす洗濯機+ガス温水式浴室暖房乾燥機浴室暖房と衣類乾燥を兼用。干す作業は必要だが2kg約60分の公称例があり、熱源機と温水配管を使う。 | リンナイ RBHシリーズ | 高い約45~75万円以上(熱源機・工事を含む目安) | ◎ 熱源機・温水管・天井・ダクト | 全工程 約105分/2kg比較用試算:洗濯・脱水40分+移し替え5分+乾燥60分。6kg時間ソート対象外乾燥のみ 約60分/2kgメーカー公表例 | 高くなりやすい約76~80円/2kg(公式例) | オール電化 × ⚙3 |
| 部屋で乾かす洗濯機+エアコン萩森建設の提案ランドリールームに普通の壁掛けエアコンを設置し、除湿(ドライ)や冷暖房を使って乾かす。除湿時は室内の水分をドレン水として屋外へ排出でき、一年を通して使いやすい。 | Panasonic 全自動洗濯機 Panasonic ルームエアコン |
安い新設約14~20万円/既設共用なら洗濯機代中心 | △ エアコン電源・配管・室外機・物干し | 全工程:比較対象外衣類量・間隔・室容積・断熱性・季節・設定で変動。6kg時間ソート対象外乾くまでの時間:部屋や季節で変わる | 安く抑えやすい専用乾燥機を増やさず、温湿度・断熱・運転時間で変動 | オール電化 ○ ⚙1・機器分離 |
イニシャルコスト:「安い・やや安い・標準・高い」は、一般的な新築時の傾向です。ランニングコスト:6kgを洗濯して乾かす場合の傾向を「安く抑えやすい・比較的安い・標準的・高くなりやすい」の4段階で表示。メーカー公表額は条件が異なるため、参考値として併記しています。工事:◎ 専用工事が必要・新築時の計画を強く推奨 △ 設置場所・換気・排水などを先に計画 — 一般的な洗濯機設置の範囲構造:⚙1 比較的単純 ⚙2 中程度 ⚙3 複雑(故障リスク・修理時の影響が大きい)6kgで比較できない方式は、各時間ソートで末尾へ表示します。
ヒートポンプ式ドラムは、毎日の手間が少ない
洗濯物を入れておけば、洗濯から乾燥まで一度に終わる。ヒートポンプ式ドラムを選ぶ理由は、やはりここだと思います。
例えばPanasonicの上位機種NA-LX129Fは、洗濯12kg・乾燥6kg。6kgのおまかせコースで、洗濯から乾燥まで約98分、消費電力量は約800Whです。夜に入れて朝には乾いていてほしい、という使い方にはよく合います。
屋外排気ダクトもガス配管もいらないので、乾太くんやSolaireに比べると建築側の工事は軽めです。ただし、本体は大きく、洗濯と乾燥の機能が一台に詰まっています。搬入経路や防水パン、水栓の高さは早めに確認したいですし、故障したときに洗濯と乾燥の両方が止まる可能性もあります。
一日一回の洗濯が中心で、移し替える手間をなくしたい家庭には、いちばん素直な選択です。
乾燥の速さは、やはり乾太くん
乾太くんは、やはり速いです。リンナイの公表値では、RDT-63で6kgを約60分。洗濯機をもう一度回している間に、先の一回分を乾かせます。
洗濯機から乾燥機へ移す手間はあります。それでも、一日に何度も洗濯する家庭では、洗濯と乾燥を同時に進められることの方が効いてきます。タオルが早く、ふんわり乾く。この分かりやすさも、乾太くんが選ばれる理由だと思います。
一方で、設置は「乾燥機を一台置く」だけでは終わりません。ガス配管、屋外へ出す排湿管、給気、設置台が必要です。排気口を隣家の窓や自宅の給気口へ向けないことも、新築時に決めておきたいところです。
乾太くんのためだけにガスを使う場合は、工事費だけでなく毎月の基本料金もかかります。速さにその費用をかけるかどうか。ここは暮らし方で答えが分かれます。
Solaireは「オール電化で使える乾太くん」に近い
Solaireをひと言でいえば、ガスを使わず、単相200Vの電気ヒーターで乾かす屋外排気型の乾燥専用機です。洗濯機とは別に置き、乾燥中に出る湿った空気は排湿管で屋外へ出します。2026年11月上旬発売予定で、乾燥容量は6kgです。
洗濯機と乾燥機を分けて同時に動かせること、衣類をドラムで回しながら温風で乾かすこと、湿気を屋外へ出すことは乾太くんとよく似ています。違うのは熱源で、乾太くんはガス、Solaireは電気です。役割と使い方でいえば、「電気版の乾太くん」と考えても大きくは外れません。
ただし、乾燥の速さまで同じという意味ではありません。メーカー発表では、60Hz・標準コースで6kg約135分。乾太くんの約60分よりは長く、上位ヒートポンプ式ドラムの洗濯から乾燥まで約98分と比べても、一回分だけならドラム式の方が早く終わります。
Solaireの良さは、オール電化のまま洗濯機と乾燥機を分けられることです。先の洗濯物を乾かしながら、洗濯機では次の一回を回せます。洗濯機と乾燥機を別々に買い替えられるのも、分離型の良さです。
ただし、普通の100V乾燥機と同じ感覚では設置できません。施工FAQでは、200V・15Aの専用回路、壁や天井の穴開け、不燃材の排湿管、外壁フード、給気の計画が必要とされています。Solaireを使うなら、新築の設計中に決めるのがいいと思います。
萩森建設では「洗濯機+エアコン」もよく提案します
これは、ランドリールームに普通の壁掛けエアコンを設置し、除湿(ドライ)や冷暖房を使って洗濯物を乾かす方法です。
エアコンは、除湿時に室内の水分を結露させ、ドレン水として屋外へ排出します。温風を出すだけの暖房機よりも室温と湿度の両方を調整しやすく、季節に合わせて一年中使えます。
洗濯物を入れてボタンを押せば終わる方法ではありません。干す手間は残りますし、「6kgが何分で乾く」とも言い切れません。部屋の広さや断熱性、衣類の間隔、季節で乾き方は変わります。
その代わり、少量の衣類からシーツのような大物まで、量や形に合わせやすい方法です。専用乾燥機や特殊な排気設備を増やさずに済み、洗濯機とエアコンはそれぞれ交換できます。新設でも比較的費用を抑えやすく、すでに使えるエアコンがあれば、洗濯機代を中心に考えられます。
もう一つ大きいのは、エアコンが洗濯物だけでなく、そこで作業する人にも効くことです。暑い日や寒い日に、干す、畳む、しまう作業までしやすい部屋にできます。乾燥機の能力だけを上げるのではなく、洗濯をする場所そのものを快適にする考え方です。
新築では、エアコンの電源と配管、室外機の場所、物干し金物、風が衣類の間を通る寸法、畳んだ物をしまう収納までを一緒に決めます。機械は一般的でも、部屋のつくり方で使いやすさはかなり変わります。
結局、どれを選ぶか
一日一回の洗濯を、できるだけ手間なく終えたいならヒートポンプ式ドラム。短時間で何度も洗濯したいなら乾太くん。オール電化で洗濯機と乾燥機を分けたいならSolaireが候補になります。
干す手間が苦にならず、初期費用や将来の交換、部屋の快適さまでまとめて考えたいなら、洗濯機+エアコンも現実的です。
新築で一緒に決めたいのは、乾燥機の名前だけではありません。洗う、干す、乾かす、畳む、しまう。その流れが無理なく続くかどうかです。そこまで見ておくと、あとで「置けなかった」「結局使わなくなった」ということを減らせます。
