敷地に建物を配置できても、材料や設備を運べなければ予定どおり工事できません。狭い進入路の施工事例から、土地購入前に搬入経路と施工条件を確認する理由を説明します。
土地購入前に、搬入経路と施工条件を確認する理由
敷地に希望する建物を配置できても、予定どおり工事できるとは限りません。
工事には、材料や設備の搬入、職人の出入り、足場の設置、廃材の搬出などが必要です。道路から建築位置までの進入路が狭い場合は、建物の設計とともに工事方法も検討します。
狭い進入路の奥に建てた事例
萩森建設には、細い進入路の奥へ二階建てのはなれを建てた事例があります。
資材と職人は手前の進入路を通る必要があったため、設計段階から搬入経路と工事の順番を考慮しました。
ただし、この事例があるから、別の狭い進入路でも同じように建てられるとは限りません。進入路の幅だけでなく、曲がり方、高低差、上空の障害物、隣家との距離、道路から建築位置までの長さが異なるからです。
土地ごとの確認が必要です。
何を通す必要があるか
進入路を確認するときは、人が通れるかだけでは判断できません。
構造材、外装材、住宅設備、足場材、工事用の機械など、工程ごとに必要な物が異なります。そのまま搬入できない場合は、材料を小分けにする、現地で組み立てる、使用する機械を変えるといった検討が必要になります。
材料を一時的に置く場所や、作業中も通路を確保できるかという点も工事に影響します。
搬入方法が変われば、作業量や工期、費用が変わる可能性があります。具体的な影響は、建物計画と現地条件を合わせて確認しなければ分かりません。
工事方法によって設計も変わります
進入路に制約がある場合、工事の工夫だけでは対応できず、設計の調整が必要になることがあります。
材料の大きさ、接合位置、組立順序、設備を搬入する時期、建物の配置などを、施工方法と合わせて検討します。
設計が完了してから搬入方法を考えるのではなく、設計中に施工条件を確認することが重要です。設計者と施工者が情報を共有し、同じ計画を検討する必要があります。
進入路以外の敷地条件も分けて考えます
この施工事例では、進入路の狭さに加えて、建築位置の四方を周囲の建物に囲まれていました。
採光への対応として、家族が集まるリビングを二階へ配置し、勾配天井と窓を設けています。
進入路の問題と採光の問題は別ですが、実際の計画では同時に検討する必要があります。土地の条件を一つにまとめず、搬入、施工、採光、視線などに分け、それぞれに対応できるかを確認します。
土地を決める前に現地で確認する
狭い進入路のある土地では、敷地図に建物が納まることだけで購入を判断しない方が安全です。
公道から建築位置までを実際に確認し、必要な材料や設備を搬入できるか、どこに作業場所を確保するか、設計変更が必要になるかを検討します。
土地を決める前に住宅会社へ相談できれば、建物計画だけでなく、工事を成立させる条件も含めて判断できます。
