通気層の出口は地味ですが、外壁通気工法と雨仕舞いを両立させる大事な部分です。
通気層は、出口まで考えて完成です
外壁通気工法では、外壁の裏側に「通気層」という空気の通り道をつくります。
壁の中に湿気をためにくくするための、大事な仕組みです。ただし、通気層はつくれば終わりではありません。
空気を入れる場所があれば、抜ける場所も必要です。この「通気層の出口」が、実はけっこう大事です。
空気が抜けやすい形にすると、雨や風の影響も受けやすくなります。特に、軒ゼロに近い家、軒の短い家、外壁上部が雨に当たりやすいデザインでは、雨仕舞いと通気の両立を慎重に考えます。
軒ゼロまわりの通気部材の納まり例。画像出典:日本住環境「イーヴスベンツ」製品情報
空気を抜くほど、雨も入りやすくなる
通気層の出口は、空気にとっては「抜け道」です。けれど雨にとっても、条件によっては入り口になり得ます。
上からまっすぐ落ちる雨には問題がなくても、風をともなった雨では、水が横から回り込むことがあります。
だから、ただ穴をあければよいという話ではありません。水の入り方、空気の抜け方、屋根や外壁との取り合い、部材の納まりを見ながら考えます。
商品名でいうと、こういう部材です
たとえば、日本住環境の「イーヴスベンツ」は、軒ゼロ住宅などで使われる軒裏換気材です。軒ゼロや軒の短いデザインでは、こうした部材が候補になることがあります。
通気見切り材では、「L型通気ライナー12」や「SEV-15」のような商品もあります。ケラバ、パラペット、バルコニーまわりなど、どこで通気を確保するかによって検討する部材は変わります。
準防火地域など、防火上の条件が関わる場合には、「イーヴプロテクター」のような防火性能を考えた部材が候補になることもあります。
イーヴスベンツ
L型通気ライナー12
SEV-15
上の製品写真は、日本住環境株式会社の製品情報ページを参考にしています。商品名は一例で、実際の採用は設計条件と納まりで判断します。
出口をなくすのは、やっぱり違います
雨を入れないことは大切です。けれど、雨を気にするあまり通気層の出口をなくしてしまうと、外壁通気工法の役割が弱くなります。
ここは、なかなかお施主さんの目には見えません。完成してから「この通気見切り、いいですね」と言われることも、たぶんあまりありません。
でも、家の耐久性にはこういう地味な部分が効いてきます。
少しコストはかかっても、削らない
きちんと納めようとすれば、部材代や手間は少し増えます。
それでも、ここは削るところではないと思っています。安くするために、本来あるべき機能を弱めてしまう。それは、家づくりとして少し違います。
通すところは通す。止めるところは止める。
見えないところまで目を配る。萩森建設が大切にしているのは、こういう地味な積み重ねです。
名前も見た目も地味な部材ですが、いい仕事をしています。通気層の出口、なかなか侮れません。^ ^
参考:日本住環境「イーヴスベンツ」、「L型通気ライナー12」、「SEV-15」、「イーヴプロテクター」
