準防火地域で木製サッシを使う条件を、延焼範囲と防火設備の仕様・認定から整理します。
準防火地域でも、木製サッシが一律に禁止されるわけではありません。ただし、窓を付ける位置が「延焼のおそれのある部分」に当たる場合は、木の枠だけでなく、ガラス、開閉形式、寸法、取付部材まで含めて防火設備として基準を満たす必要があります。
先に結論
使えるかどうかは、主に次の二段階で確認します。
- その窓が「延焼のおそれのある部分」に入るか
- 入る場合、窓全体が告示仕様または国土交通大臣認定の防火設備になっているか
したがって、「準防火地域だから木製は不可」でも、「木製枠ならどれでも可」でもありません。敷地条件と、採用する窓の認定・仕様をセットで確認します。
「延焼のおそれのある部分」とは
建築基準法では、隣地境界線、道路中心線などから、原則として1階は3m以下、2階以上は5m以下にある建築物の部分を「延焼のおそれのある部分」としています。公園や川などに面する場合や、外壁面と境界線の角度などによる除外もあります。
図面では、配置図だけでなく各階の平面図・立面図に範囲を重ねて確認します。単純に境界からの距離だけで決められない場合もあるため、萩森建設が敷地条件と図面を確認し、必要に応じて建築確認を扱う機関と協議したうえで判断します。
木製サッシを使える仕組み
延焼のおそれのある部分に設ける窓は、防火設備として必要な性能を備え、国の告示に定める構造方法に適合するもの、または国土交通大臣の認定を受けたものとする必要があります。
国土交通省は2019年、断熱性に配慮した木製・樹脂製などの窓について、必要な防火性能が確認された仕様を告示に追加しました。木製枠の一般仕様では、はめごろし窓(FIX窓)、枠材の寸法・比重、ガラスの種類、開口寸法、取付部材や封止材などに細かな条件があります。条件外の開閉形式や寸法を希望する場合は、採用する製品が個別の大臣認定を取得しているかを確認します。
条件別の違い
- 延焼のおそれのある部分の外側:建築基準法第61条による開口部の防火設備要求から外れる場合があります。ただし、建物の用途・規模、他の防火規定、条例などは別に確認します。
- 延焼のおそれのある部分の内側:防火設備として適合する窓を選びます。枠だけを木製に替えたり、認定と異なるガラス・金物・寸法を組み合わせたりすることはできません。
- 開く木製窓を希望:FIX窓の告示仕様をそのまま流用できるとは限りません。窓種と寸法が一致する大臣認定品などを確認します。
- リフォーム・窓交換:既存枠を残す方法でも、必要な防火性能と認定仕様が維持できるかを施工前に確認します。
見積もり・打ち合わせで確認するポイント
- 敷地が防火地域・準防火地域のどちらに入るか
- 各窓が延焼のおそれのある部分に入るか
- 窓の開閉形式、幅・高さ、ガラス構成
- 告示仕様か大臣認定品か。認定品なら認定番号と認定範囲
- 枠、ガラス、金物、封止材、取付方法が同じ認定仕様になっているか
- 防火性能だけでなく、断熱、気密、雨仕舞、メンテナンスも納得できるか
萩森建設へ相談する目安
土地を検討中で、木製窓を外観や室内の中心にしたい場合は、間取りを固める前にご相談ください。窓位置を数十センチ調整したり、FIX窓と開閉窓を使い分けたりすることで、希望と法規を両立しやすくなることがあります。
相談時は、敷地住所、測量図や配置図、希望する窓の位置・大きさ・開き方、候補メーカーや製品名があると確認が進みます。地域指定は自治体の都市計画情報で確認し、最終的な適合性は個別計画で判断します。
参考資料
確認日:2026年8月7日
- e-Gov法令検索「建築基準法」(第2条第6号、第61条)
- 国土交通省「断熱性に配慮した防火窓の仕様を新たに位置づけます!」
- 国土交通省「建築基準法に基づく構造方法等の認定」
- 豊橋市「都市計画 土地利用に関する規制・誘導」
概要・検索向け説明案
準防火地域で木製サッシを使える条件を、延焼のおそれのある部分、防火設備の告示仕様・大臣認定、窓種・寸法・ガラス・取付方法の確認点に分けてやさしく解説します。
