木材が収縮しても接合部が緩みにくい。萩森建設がAPS工法を選ぶ理由を、上棟現場の写真とともに説明します。
APS工法には、断面欠損が少ない、金物が見えにくい、施工中に金物の突起が出ないなど、いろいろな特徴があります。
その中で、萩森建設が一番大事だと思っているのは、少し地味なことです。
接合金物が緩みにくいことです。
締めたナットも、木が痩せれば緩みます
木造建築の仕事をしていると、構造金物のナットが手で回るほど緩んでいることがあります。
新築から2~3か月後の点検で見つかることもあれば、築年数の経った建物のリフォーム現場で目にすることもあります。
取り付けたときには、きちんと締まっていたはずです。
柱や梁の木材が収縮したり、少し変形したりするところを想像してください。
羽子板ボルトをナットでいくらしっかり締めても、挟んでいる木材の方が痩せるのですから、締め付ける力は弱くなります。通常のボルトとナットだけでは、木痩せによる緩みを避けられません。
施工後も、木材の含水率は周囲の湿度に応じて変わります。乾燥して含水率が下がれば、木材は収縮します。収縮は繊維方向よりも、木材の幅や厚さ方向に大きく現れます。
無垢材をしっかり乾燥させて使う、寸法変化の小さい集成材を使うなど、できるだけ変形を抑える方法はあります。それでも、木材である以上、施工後の収縮や変形をなくすことはできません。
アップルピンは、木材の真ん中で接合します
APS工法では、基本的な梁の接合部を、大蟻仕口とアップルピン、横から打ち込むドリフトピンで組みます。
大蟻仕口とは、梁を柱へ掛けるために木材同士をかみ合わせる形です。そこへ、木材の真ん中を通るアップルピンを納めます。
アップルピンを納めると、木材同士が引き寄せられ、しっかりと組み上がります。
羽子板ボルトのように、木材の外側からナットで締めて、厚みを挟み込む仕組みではありません。
アップルピンは木材の真ん中にあるため、外側に取り付けた金物のように、木痩せで接合位置がずれません。木が痩せることで、かえって締まる側に働くことはあっても、羽子板ボルトのように外側のナットが緩むことはありません。
さらに、アップルピン自体にも、逆ねじ形状の緩み止めがあります。木材が少し収縮したり変形したりしても影響を受けにくく、無垢材を構造に使う場合にも適しています。
ここが、私たちがAPS工法を評価しているところです。
断面欠損が少ないことや、金物が見えないことも利点です
APS工法は、従来の在来工法の仕口と比べて、木材の切り欠きを抑えられます。接合部でも木材を大きく削らずに済むので、木材の強さを損ないにくくなります。
金物が柱や梁の中に納まるので、梁を見せる空間でも接合金物が目立ちません。プレカット工場から出荷するときに金物の突起がなく、運搬や建て方の際に扱いやすいことも利点です。
どれもAPS工法のよいところです。
それでも、萩森建設が一番に挙げる理由は、金物が緩みにくいことです。
許容応力度計算という、建物の構造の強さを計算で確かめる方法があります。
計算で強いことはもちろんですが、その強さが計算通り長く続くことも大切です。
萩森建設がAPS工法を採用する一番の理由は、そこにあります。
